スギナ茶は天然ミネラルの宝庫!効果と副作用はどんなものがあるの?
スギナという植物をご存じですか?
普段歩いている場所の道脇を見ると、天然ミネラルの宝庫と名高いスギナを見つけられるかもしれません。
スーパーで販売されている野菜とは違い、ヨモギなどの薬草に分類されるスギナ。
今回は自宅の庭にも生息している可能性の高い、栄養豊富な薬草について紹介します。
お茶として飲めば、健康や美容に高い効果を発揮してくれるかもしれません。
Contents
スギナってどんなもの?
スギナとは、シダ植物の一種で湿気の多い土壌や畑に生息する雑草です。
雑草というのは、人の意図にかかわらず自然に繁殖する植物のことをいいます。
見た目の特徴は、形が杉に似ているが名前の由来となっています。
スギナは「難防除草」といわれ、初めは土の浅い所に地下茎を伸ばしますが、あっという間に地中深くに繁殖します。
そのため抜いても抜いても生えてくる、地獄草との異名も持っています。
除草剤を使った駆除も確実とはいえず、完全駆除が困難な植物とされています。
つくしはスギナの子
実はスギナは春の季語にもなるツクシの一部。
スギナの部分を栄養茎と呼び、春に芽を出す胞子茎をツクシ(胞子体)と呼んでいます。
ツクシの語源は、スギナにくっついた形で成長することから“付く子”となり、“ツクシ”と呼ばれるようになりました。
スギナの健康効果に注目集まる!
非常に生命力が強く厄介者とされがちなスギナですが、数百年前から漢方の生薬として使用されている薬草です。
漢方で使用されるスギナは、“問荊(もんけい)”と呼ばれ、ヨーロッパでは“ホーステール”というハーブとして現在も使用されています。
ヨーロッパでは古くから薬効のある民間薬として、ドイツの文献である「神の薬局より送られた健康」では“あらゆる病気に効果がある植物”という記載もあるほど重宝されています。
日本国内では現在、民間療法や民間薬として幅広く活用されています。
デトックス作用で体内の毒素を排出
スギナはとてもデトックス効果の高い植物として注目をされています。
ミネラルの宝庫ともいわれるスギナは、傷ついてしまった細胞を修復し、肝臓の機能を向上させ体内の毒素排出に効果があります。
民間療法の中には、取り過ぎた添加物を排出する作用が期待できるという療法もあります。
利尿作用に優れているため、むくみの改善や結石の排出にも力を貸してくれる植物。
また、含まれる葉緑素の効果で血液を綺麗にしてくれる効果もあります。
スギナに含まれる主なミネラルは以下の通り。
地中に含まれる微量ミネラルを含み、通常の野菜に比べても含有量が高いといわれています。
〇ビタミンA
〇ビタミンC
〇ビタミンE
〇カルシウム
〇マグネシウム
〇ナトリウム
〇カリウム
〇リン
〇亜鉛
〇鉄
〇サポニン
〇葉緑素
〇ケイ酸
一般的に栄養価が高い野菜として知られる、ほうれん草と比べても、カルシウムは150倍以上、カリウムは5倍多く含まれています。
スギナの主な効能
前述した栄養素を見るだけでも体に良さそうな印象を受けますが、実際にスギナは利尿作用以外にもさまざまな健康効果があります。
最近では、ヒスタミンの働きを抑える物質のおかげで、花粉症予防にも効果があるともいわれています。
取り入れ方によって変わるスギナの代表的な効果・効能を解説しましょう。
便秘解消でダイエット効果
スギナには食物繊維が豊富に含まれており、その含有量はほうれん草の100倍ともいわれています。
食物繊維には腸内環境を整え、善玉菌をサポートする役割があります。
特に動物性のタンパク質を多く摂取する人には、食物繊維により腸内の代謝を活発にする事で便秘解消に効果が期待できます。
アトピー肌などのかゆみやかぶれ軽減効果
スギナは摂取するだけでなく、お風呂に浮かべることで有効成分が溶け出し、温泉の様な効能を得ることも可能です。
関節炎や冷え性などの慢性病に効果が見込めるだけでなく、アトピー肌や乾燥しがちなお肌に潤いを与え、かゆみの発生を抑制する効果があります。
スギナ風呂の作り方は、乾燥したスギナ100g程度をミキサーなどで細かくしたものを布袋に入れお風呂に浮かべるだけ。
無添加の入浴剤で、体の芯から温まることができます。
血管内を清掃してくれる効果
スギナに多く含まれるケイ素には、血液サラサラ効果があるとして注目が集まっている成分です。
血液中に酸素を補給してくれる働きがあり、細胞を活性化してくれます。
細胞を活性化する働きに着目し、民間療法や民間薬を提供しているところではガンの予防効果があると見解している機関も存在します。
自律神経を整える効果
スギナに含まれるナトリウムとカルシウムは、その含有量の多さから自律神経失調症にも効果が期待できます。
季節の変わり目や生理などで自律神経が乱れがちな人にも、良い影響を与えてくれます。
自律神経を整えることにより、日中の眠気予防にも効果があるとされています。
おすすめの摂取方法はスギナ茶として
スギナはお浸しなどとして食することも可能ですが、有効成分を余すことなく補給するためにお茶として補給するのが効率的。
スギナ茶のデトックス効果を利用したダイエットはもちろんのこと、豊富なミネラルやケイ素の効果によりアンチエイジングにもおすすめです。
カルシウムの吸収をアップさせる効果のあるスギナパワーで、骨粗しょう症予防や髪・爪など加齢によって衰える見た目の変化を緩やかにしてくれます。
スギナ茶の作り方
スギナ茶の作り方はとても簡単です。
少し日数はかかりますが、水分を良く飛ばすことでお茶の香りを良くする効果があります。
- 収穫したての新鮮なスギナを用意する。
- 流水で流し洗いをして、スギナの汚れを取ります。
- スギナが重ならないように並べ、天日でカラカラになるまで乾燥させます。
- ハサミなどを使い、スギナを細かくカットします。
- フライパンでスギナを焦げないように炒り、水分を飛ばします。
- 大さじ1のスギナを急須に入れてお茶として楽しみます。
※煮出す場合は、水1ℓに対して大さじ1,2杯のスギナが適量です。
煮詰めることでケイ素の栄養素が減少しますので急須で飲むのがおすすめです。
1日の摂取量目安
「スギナ茶をいつも飲んでいるお茶に変えてみよう!」そう思った人は、ちょっと待って下さい!
スギナは水や緑茶とは違い、適量を守ることがとても大切なのです。
1日の飲用量目安は体質などによって違いがあります。
例えば、急須で入れたスギナ茶1杯で利尿作用が強く出て、膀胱炎の様な症状が出る人も中にはいます。
また、体調によっても効果が強すぎたり弱かったりとバラツキが出ることも考えられます。
そのため、初めてスギナ茶を飲む場合には、まず1杯飲んでみて様子を見るように心がけて下さい。
毎日必ず何杯という決まりはありませんので、ご自分の体調や体質に合わせた摂取が理想です。
食材としても利用できるスギナ
スギナはご紹介したスギナ茶だけではなく、ふりかけやお浸しとして食することも可能です。
季節の山菜と同様、天ぷらで味わうのもサクサクの食感が楽しめます。
美味しさや風味にこだわるのであれば、ミルミキサーなどで粉末にし、塩と混ぜてスギナ塩を作るのも良いですね。
ただし、摂り過ぎは禁物な植物であるため毎食食べることはおすすめできません。
良いスギナの選び方
スギナ茶を作るにしても、お風呂に浮かべるにしても良いスギナを選びたいですよね。
良いスギナというのは、農薬や除草剤のかかっていない場所に生息している事が条件です。
自宅の庭に生えている場合には心配ありませんが、自治体が管理しているような場所だと除草剤を散布されている可能性もあります。
スギナは除草剤や農薬に強い植物ですので、スギナしか生えていないような場所から採取すると、思わぬ有害物質を体内に取り入れてしまう可能性があります。
身近に良いスギナが見当たらない場合は、インターネット通販などで乾燥スギナが販売されていますので、そちらを購入しましょう。
大量摂取をすると副作用が出ることも
体に良いからといって、大量かつ長期間服用した場合、副作用が出る恐れがあります。
しかし、自分に合った適量を続ける場合には、問題ありませんので気にしすぎる必要はありません。
代表的な副作用についてご紹介しておきましょう。
チアミン欠乏症
体に良い成分が多く含まれているスギナですが、チアミナーゼという成分を含んでいます。
チアミナーゼが活性することで、チアミン(ビタミンB1)を壊してしまう作用があります。
長期間大量摂取を続ける事で、チアミン欠乏症になり、疲れやすい症状や集中力が無くなる可能性、脚気などにかかる恐れがありますので注意しましょう。
摂取は避けて欲しい人
スギナ茶は誰でも良い効果が出る植物というわけではありません。
スギナが合わない体質がありますので、次の項目が自分に当てはまらないかを確認しておきましょう。
- ニコチンアレルギーや子ども
スギナには微量のニコチンが含まれていますので、子どもへの摂取は避けましょう。
また、ニコチンにアレルギー症状がでる可能性のある人(タバコが嫌いとかは大丈夫です)も摂取はしないようにして下さい。
- 妊娠中や授乳中
微量とはいえニコチンを含んでいる植物であるため、小さい子どもが摂取することは厳禁です。
また、微量のニコチンの影響で末梢神経の血流を悪くしてしまう恐れがあります。
そのため、妊娠中や授乳中は摂取しないようにして下さい。
- 心臓病/腎臓病
血液をサラサラにし、体内の毒素を排出させてくれるスギナですが、病気を治す医薬品として使用する研究はありません。
そのため、治療のためスギナを服用するのはやめましょう。
もし、服用したい場合にはかかりつけの医師に相談してから摂取するようにして下さい。
スギナの効能を得るためには正しい用量を
ダイエットや美容だけでなく、健康を維持するために必要な栄養素を持つスギナ。
健康茶として注目を浴びていますが、良い作用を得るためには適量を摂取するということがとても大切です。
自然療法などで人気が高く、民間薬として利用している人も多いですが、副作用についても注意が必要です。
少しでも体調不良を感じた場合には、摂取をやめてお近くの内科に相談してみると良いでしょう。
まとめ
- スギナはツクシと同じ植物
- 細胞を活性化させるケイ素を多く含んでいる
- 利尿作用があるため、むくみに効果的
- スギナ風呂に入ることで、皮膚トラブルを和らげる効果がある
- 国内では、民間療法で使用されている民間薬